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村人が世界を救って何が悪い  作者: まよねえず
第一章:悪魔の炎編
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14.次の標的

 エイド達が、人攫いのクエストを始めてから一週間が経った。毎日、街の人から情報収集をしたり、図書館で過去の資料を漁ったりしていたが、未だ進展はなかった。

 そして、今日もまた、なにか手がかりを探して図書館へと訪れていたエイド、エアリア、ヒスイの三人だったが、放心状態で机に突っ伏して動かなくなっていた。


「こんだけ探して手がかりがないなんて、おかしくねえか」


 エイドはうなだれながら言った。

 過去百年間の過去の事件を調べ、かつ街に出向いても情報が集まらない。ここまで進展がないのは三人にとっては予想外のことだった。


「まさか、ここまで情報が集まらないとはね……」


 引きつった笑みを浮かべながら言うエアリア。

 エイドはあることに気が付き、二人に聞いた。


「フラム達は今日来ねえのか?」

「今日は来れないって。注文の品がまだできてないから作らなきゃって言ってたよ」


 目の上に温かいタオルを乗せ、背もたれに体を任せているヒスイが答える。しょうがないかと、エイドはため息をついて机の上にあるメモ用紙を見る。

 集めた情報だと、これまでの被害者は、全員で千人を超えている。この全てが、時間も、季節も関係なく、唐突に姿を消している。まるで神隠しにでもあったようだ。

 過去の情報も念のため調べていたが、以前ヴェルフが言った通り、十年前から再び起こったとされる事件について情報を集めることにした。その結果、被害者は五人。


 十年前に消えた、十歳の女の子 《アリス・ツーリアー》

 八年前に消えた、四歳の女の子 《アイリーン・サミット》

 六年前に消えた、七歳の男の子 《ダリア・イレスト》

 三年前に消えた、八歳の男の子 《ゲルト・ミルドリア》と十二歳の女の子 《イーリス・カエラ》


 この五人は、全員面識もないどころか名前も知らないと言っており、全く共通のない人物だ。逆に言えば、過去の事件も共通点のない人物が狙われている。これも、捜査をかく乱するための犯人の狙いなのだろうか。

 考えていたエイドは窓の外を眺める。すると、外は夕日が沈み、紅く染まっていた。


(今日も収穫はなしか……)


 ため息交じりに本を片付けようと席を立ったその時だった。


「まだ凝りずにやってたか」


 呆れた表情でフラムがエイド達のもとへやってきた。その手には、筒状になった紙と麻袋が握られていた。


「仕事はどうしたんだよ」

「今、納品してきたところだよ。それより、今朝の新聞読んだのか?」


 そう言ってフラムは手に持っていた紙をエイドに放り投げた。そういえば、今朝はバタバタしていて新聞を読んでいなかった。

 エイドは受け取った新聞を机の上に広げる。そして、エアリア、ヒスイと覗き込むようにして見ると、目を丸くした。


「なっ!?」

「嘘でしょ!?」


 エイドとエアリアは驚きのあまり声を漏らす。ヒスイも声は出さないものの、目を大きく見開いて驚いていた。

 新聞の一面を飾る記事にはこう書かれていた。


『子供攫い再び!新たな被害者は二名』

 

 その詳細には、皆が寝静まった昨晩の間に、二人の子供が攫われたという。二人の子供の名前は《ユーリック・ネール》九歳と《レイチェル・トレッド》五歳。

 記事を見たエアリアは悲しそうな顔をしていた。


「犠牲者がまた……私が早く見つけられれば」


 エイドはエアリアに言った。


()()じゃなく、()()だろ。それを言ったら、犯人を見つけられなかった俺らのせいでもある」


 慰めるエイドに、エアリアはありがとうと一言小さく言った。

 エイドは新聞と自分たちがまとめたメモ用紙を交互に見る。


(これで被害者は七人か……)


 ペンを加えながら、なにか手がかりがないかを探す。エアリアが言うように、次の被害者がいつ出るかわからない。ならば、一刻も早く見つけなければならない。

 すると、突然、エアリアが頭をわしゃわしゃとかきながら大きな声を出す。


「だああああ!もっと証拠残していけよ犯人め!」

「叫んだって犯人は出てこねえだろ」


 冷静に言うエイドに、エアリアは頬を膨らませる。


「だって悔しいじゃん!あ~あ!推理なんかより、パズルとかなら負けないんだけどな~!」


 やけくそになり始めたエアリアを見て、エイドは呆れてため息を漏らす。


「パズルが強いって自慢したってしょうがねえだろ。そんなにやりたいならパズルでもやってろよ」


 冷たく言い放つエイドの言葉に、完全にすねたエアリアは、頬を膨らませたまま、本を片付け始める。


(パズルだったらここまで苦労しねえっての)


 そう思いながら、エイドは再び新聞を見る。その時、エイドの中で何かが引っかかるのを感じる。

 何か見落としているような。今の会話で何かが引っかかったのか。だとしたら、何が気にかかったのか。


「証拠……犯人……叫んだ……パズル……?」


 新聞を読みながら、小さい声でボソボソと言うエイドを見て、その場にいる全員が不思議そうに見ている。

 その時だった。エイドは新聞とメモ用紙を机の上に叩きつけるように置くと、おもむろにペンを取り、白紙の紙をとって何かをかき始めた。


「い、いきなりどうしたのよ」


それを見ていたエアリア達は驚きながらも見届ける。


Gelt(ゲルト)Ulick(ユーリック)Alis(アリス)Rachel(レイチェル)……」


 エイドが呟きながら書いているのは十年前から行方不明になった被害者の名前だった。そして、最後の一人を書き終えた時、それを見ていたエアリア達は目を丸くした。


「これって……」

「ああ、間違いない。犯人が残したメッセージだ」


 エイドは被害者の名前のイニシャルに丸をつけていく。すると、ある文字が浮かび上がった。


GUARDIAN(ガーディアン)……」


 フラムが言ったとおり、全てのイニシャルを並べ替えると、この文字が浮かび上がった。しかし、一つ疑問が残る。


「でも、最後の一文字が足りないじゃん。Nってまだいないよね」


 そう。エアリアの言うように、最後の一文字、『N』が抜けているのだ。


「多分、これが次の被害者のイニシャルだ。だから、イニシャルがNのやつを見張っておけば――」


 徐々に声が小さくなるエイド。その顔は次第に青ざめていく。すると、勢いよくフラムの方を見るていう。


「おい!ヒバナちゃんはどこにいる!?」

「ヴェ、ヴェルフのとこだ。それがどうした?」


 フラムは勢いのあるエイドに驚きながら答える。すると、取り乱すエイドにエアリアが言う。


「落ち着いてよ!ヒバナちゃんは関係ないでしょ。だってイニシャルは“H”じゃん?」


 その言葉で気がついたのか、フラムの顔から血の気が引いていく。

 エイドは間髪入れずに答える。


「ヒバナちゃんのイニシャルは“N”だ!名前はヒバナでも、戸籍上は“N”になってんだよ!」


 あの時、エイドはヒスイから聞いていたが、知らなかったエアリアは口に手を当てて驚く。まさか、次の被害者が、身近にいるとは思いもよらなかった。

  戸惑い固まるエアリア達にエイドは言う。


「とにかく、ヒスイちゃんのところへ――」


 刹那、一回の鼓動が、力強くうった。脳の奥がチリチリと焼けるような感覚がエイドを襲う。やけに視野が広がり、周囲の音がこもって聞こえる。目の前でフラムが何かを話しているが、それどころではなかった。自分の心臓が早く鼓動を打っている。何かが気になる、そう思って周りをくまなく見渡す。しかし、原因となるものは見つけられない。エアリアもエイドと同じように、顔をしかめながら周りを見渡しているのを見ると、何かを感じ取っているのだろう。

 そして、その気配がどこから感じ取っているのかがわかったエイドとエアリアは、勢いよく図書館を飛び出すと、街の門の方角を見る。

 後ろから続いて追いかけたフラムはエイドに言う。


「おい、さっきから何してんだよ!?」

「なにかが来る」


 エイドは遠くを見るめながら小さく言う。と、その時だった。フラムの耳に悲鳴のような声が届いた。それは門の方からだった。悲鳴だけではない。まるで、軍隊のような大量の足音がこちらに向かっていた。


「何が起きてる!?」


 フラムはつばを飲み込んで身構える。その時、


「シャァァァァアアアア!!」


 空から魔獣の鳴き声が聞こえて来る。上を向くと、そこには、空を覆い尽くすほどの巨大なコウモリのような魔獣が空を飛んでいたのだ。

 軍隊のような足音の正体は、大量に襲いかかってきた魔獣の軍団だったのだ。

 驚きのあまり、天を仰ぎ、固まるフラムにエイドが言う。


「ヒバナちゃんのところに急ぐぞ!」


 その言葉で我に返ったフラムはうなずいて走り出そうとした。しかし、魔獣の数匹が、こちらに向かってきたのだ。

 エイドとエアリアは剣を抜いて構える。向かってくる魔獣めがけて剣を振るう。しかし、当たる直前で身を翻してかわす。その後も、間髪入れずに突進してくる魔獣に剣を振るうがやはりかわされてしまう。まるでおちょくられているようだ。


「チッ!すばしっこい!」


 エイドは苛立ちのあまり声を荒げる。そして、再び魔獣が突進してきた瞬間、剣を振るう。しかし、力んでしまったエイドの剣は大ぶりになり、大きなすきを与えてしまう。

 魔獣は剣を交わすと、そのままエイドに爪を突き立てる。


(しまった……!)


 完全にやられたと思ったエイドだった。しかし、エイドを狙った爪はわずか横を通り過ぎる。そして、後ろにいるヒスイの肩をがっしり掴む。


「え?」


 ヒスイは、思わず声が漏れる。


(最初からヒスイが狙いだったのか!?)


 エイドは体を捻り、ヒスイに当てないよう魔獣を狙った横薙ぎを繰り出す。しかし、その一振りは空を切る。

 その間に、ヒスイを連れた魔獣は、空高く舞い上がっていた。


「エイド兄ちゃ~ん!」


 ヒスイの声が遠くへ行ってしまう。空に飛ぶ魔獣に、フラムは手をかざす。手のひらに風が吸い込まれるように集まっていくと、炎が作り出される。狙いを定め、放とうとするが、炎は徐々に形を失い空に溶けて消えてしまう。

 そうしている間に、エイドは急いで魔獣の後を追い始めていた。


「くっそ!狙いは“N”から始まるやつじゃねえのかよ!」


 ぐちをこぼしながら、後を追いかける。しかし、建物を関係なく飛ぶ魔獣には、なかなか追いつくことができない。すると、エイドの隣の建物の上を、エアリアが走っている。

 建物の隙間を軽々と飛び越えながら徐々に距離を詰めて行く。


「まじかよ……」


 エアリアの身軽さに、エイドは苦笑しながら言った。

 そして、ついにエアリアが魔獣まであと一歩まで迫る。エアリアは、足に力を込めて足場を一気にける。衝撃で建物は壊れてしまったが、エアリアは魔獣と同じ高さまで跳躍する。

 剣を抜き、魔獣の背中に向かって突き刺す。赤い血しぶきが吹き出すと同時に、魔獣が激しく動き苦しみだす。


「ちょっと、エアリア!?」


 魔獣に掴まれたヒスイは、揺られながら、このまま倒してしまって大丈夫なのか心配する。

 エアリアは剣に力を込め、更に深く突き刺す。すると、核を破壊した手ごたえを感じた時、魔獣は動かなくなり、高度を落としていく。


「エアリア~!!」


 ヒスイは涙目になりながら落ちていく。エアリアは魔獣を蹴って加速すると、ヒスイを優しく抱きかかえる。建物に足をつくが、上手く衝撃を殺すことができず、足を滑らせて転げ落ちてしまう。

 何度か地面をはね、ようやく動きを止める。エアリアは、腕の中にいるヒスイを見て言う。


「大丈夫?怪我はない?」

「う、うん。エアリアは?」


 体中にかすり傷ができていたが、エアリアは笑っていった。


「全然平気だよ!こうみえても丈夫だからね!」


 ピンピンしている姿に、ヒスイはホッとして微笑む。そこへ、少し遅れてエイドとフラムが走ってくる。


「何とか大丈夫そうだな」


 エイドは何事もなさそうな二人を見て、ほっと胸をなでおろす。すると、爆発音のような音と共に、少し先で、建物から煙が上がる。それを見たフラムの顔が真っ青になる。そして、無言で煙が上がった方へ走り出す。そこで、エイドはようやく気が付いた。


「あそこって、ヴェルフの爺さんがいるところじゃねえか!」


 エイド達は、慌ててフラムの後を追いかける。

 追いつくと、ゴブリンに似た姿の魔獣から、ヒスイを庇うようにヴェルフが大きな金槌を振るっている。その横で、十体以上の魔獣を相手にしているフラムがいた。


「ぼさっと見てないで手かしてくれ!」


 エイドとエアリアは、たったの一蹴りでフラムの近くまで距離を詰める。左右に分かれると、数体をまとめて吹き飛ばす。半数の魔獣を無力化すると、残りの魔獣に狙いを定める。

 しかし、魔獣がただ見ているわけもなく、手にもった荒削りの石造りの剣を振り回す。エイドは揺れる紙のようにひらりとかわすと、剣を振り下し、武器を叩き落とすと、魔獣の顔面に回し蹴りを決める。周りの魔獣を巻き込みながら吹き飛ぶ。起き上がった魔獣は、怯えた様子で遠くへ逃げて行った。

 エイドは一息吐き、エアリアとフラムの方を見ると、二人とも何事もなく魔獣を無力化していた。


「二人とも大丈夫?」


 エアリアはヴェルフとヒスイの元に駆け寄る。


「私は大丈夫。けど、ヴェルフ爺が私を庇って……」


 ヴェルフは腕から血を流している。さっきの戦闘で怪我をしたのだろう。


「俺は大丈夫だ。それより、街の方を頼む」


 エアリアはヴェルフの傷口を持っていた布で覆う。すると、手当されながらヴェルフは言う。


「その魔獣の頭を見てみろ」


 エイドは倒した魔獣の頭を見ると、小石くらいの大きさの宝石のようなものが埋め込まれている。


「そいつは、人工的に作られた魔法水晶(クリスタル)だ。恐らく、この魔獣の襲撃は何者かによって仕組まれたものかもしれない」


 魔法水晶とは文字通り、魔法が込められた水晶のことだ。術式を刻むことで、あらゆる魔法を使えるため、冒険者だけでなく、武器に埋め込んだりと、国の衛兵たちも使っている。


「てことは、魔獣は誰かに操られたってことか?」

「恐らくな。その魔法水晶は“支配(テイム)”の術式が組み込まれてる。誰が支配したかはわからんがな」


 《支配》の魔法は使用した魔獣や猛獣、強力なものになれば人ですら、魔法を行使した者の支配下に置くことができる魔法だ。

 ヴェルフは武器を創る仕事をしているため、術式と魔法水晶についてある程度知識を持っていたのだ。

 エイドは難しい顔をしながら、魔法に詳しいヒスイに聞く。


「ヒスイ。この魔法はどうやったらとめられる?」

「この魔法水晶、簡単な造りになっているみたい。多分、数を優先したせいで、そこまで強力な拘束力はないと思う」


 ヒスイは魔法水晶を見ながら続けた。


「それに、この魔法水晶、他の魔法水晶とつながってるみたい。恐らく、弱い拘束力を補うために《支配》を使った術者が、魔獣たちの魔法水晶に直接干渉してるんだと思う。。だとしたら、術者を止めることができれば、魔獣たちを縛るものはなくなり、《支配》は止めることができる。この《支配》によって与えられた命令が、ヒバナちゃんを襲うことだとしたら、何としても止めないと」


 すると、説明を聞いたフラムは難しい顔で言う。


「術者を止めるって言ったって、この国には何万人っているんだぞ?どうやって見つければいいんだ」


 焦るフラムに、エイドは笑って言った。


「安心しろ。心当たりはある。お前はここでヒバナちゃんを守れ。行くぞエアリア」


 エアリアは真剣な顔つきで、頷く。

 すると、今にも走り出そうとする二人をフラムは止める。


「まて、俺も行く」


 その言葉に、エイドは驚き立ち止まって振り向く。


「おいおい、お前がいなくなったら誰がヒバナちゃんを守るんだよ」

「そうなる前にさっさと終わらせて戻りゃあいいだろ」


 エイドとフラムが話している間に割って入るヒスイ。すると、胸をポンと叩いて言う。


「私が守る」


 エイドとフラムは予想外の言葉に、思わず固まってしまった。そこへ、座って休んでいたヴェルフが立ち上がると、横にある金槌を拾い上げる。


「なめるなよ小僧。わしもまだまだ現役じゃよ」


 エイドは二人を見て考える。ヴェルフはかなり腕が立つ。ヒスイの魔法は、どの程度使えるのかはわからないが、何度か助けてもらったこともある。ヴェルフもサポートがあれば戦いやすいだろう。だとしたら、二人にここを任せるのが最善か。


「わかった。ヒバナちゃんを頼んだぞ」


 エイドの掛け声に、ヒスイとヴェルフは深く頷く。すると、


「あの、ごめんなさい!」


 今まで黙っていたヒバナが、大きく頭を下げていた。


「私のせいで、こんなことになって……やっぱり、私が悪魔の子だからかな?」


 今にも泣きだしそうな顔をしているヒバナ。


「「それは違う」」


 そんなヒバナに、エイドとエアリアは声をそろえて言う。


「ヒバナちゃんは何も悪くないよ。これは全部子供攫いの犯人のせいだよ」

「そうそう。ヒバナちゃんは被害者。それを守るのは、冒険者である私の仕事だから、ヒバナちゃんを守るのは当然のことだよ」


 エイドに続いて、エアリアは優しく微笑んで言う。すると、二人は走って街の中心へ向かう。


「必ず戻る。だから、少し待っててくれ」


 フラムはヒバナの頭を優しくなで、エイドとエアリアの後を追う。その後姿を心配そうな顔で見送るヒバナに、ヒスイは言う。


「大丈夫だよ。ヒバナちゃん。みんなちゃんと強いから、必ず帰ってくる」


 安心させるようにヒスイは言った。と、その時、建物の陰から、虫の姿をした魔獣が姿を現す。

 ヒスイとヴェルフはヒバナの前に壁になるように立つと、構える。

 みんなが戦っているのに、守られてばかりじゃだめだ。そう思ったヒバナは、足元に散らばっている武器の中から短剣を拾い上げる。


「私も戦う!」


 ヒスイとヴェルフは笑って頷いた。

 三人を狙う魔獣が、一斉に襲いかかってくる。ヒバナは相手を睨みつけ、短剣を構えた。


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