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21話:薫子からの手紙と通常の生活へ

 翌日、清水は、ホテルの精算をして横浜に帰った。新幹線に乗り、日本海を眺めてると、ふと、昨晩、別れ際に、薫子が手渡してくれた手紙を思い出し、封筒を空け、読む事にした。手紙には、昔と同じで、美しいペンで書いた字が、踊っていた。


「楽しい、ひとときを本当にありがとう。清水君の包容力、優しさは、昔とちっとも変わらなくて、うれしかった」

「こんなに長い時が経っても、私の住む、金沢に清水君を呼んで、再開させてくれた神様に感謝します」こんな書き出しから始まっていた。

「清水君も、私も偶然、最近、伴侶を亡くしたなんて、神様も粋な計らいをするものね」

「亭主が、亡くなり金沢の地にも私の周り、本当の友達が1人もいなくなって落ち込んでいた」


「その時、清水君が、私の所をたずねてくるなんて、まるで、奇跡だわ」

「そんな、あなたを見て、私は、人生の暗闇から、救い出された気がした」

「ちょっとオーバーかも知れないが、生きる勇気がわいてきたわ」 

「これからの人生が、楽しく思えてきたわ、本当にありがとう」


 金沢での水道工事屋の整理を終えるのは、多分、来春になると思うので、また、ちょくちょく、電話しますので、宜しくお願いしますねと締めくくってあった。


 文章の最後に、「救世主の清水君へ、迷える、おばあさん羊より」と書いてあり、思わず、笑った。手紙をじっくり読んで、彼女の顔を思い出してると長野についた。


 そこから、信州の山並みを眺めて、軽井沢から多くの若者が乗り込んできて、少し、ウトウトしていると、大宮で起きた。すると、多くのビル、マンションが立ち並ぶ大都会、東京の味気ない景色となった。


 東京駅で東海道線に乗り換え横浜へ、着くと11時過ぎていて、崎陽軒のレストランに入って、昼食をとった。シウマイを食べると、横浜に帰って来た気がして、妙に安心した。


 そして、バスに乗って、海辺の古い3LDKのマンションに帰って来た。今は、独りぼっち女房を亡くしてから3年、1人生活にも慣れてきて、気楽な感じさえしていた。今晩は、仲間に電話して麻雀荘へ行こうと考えた。


 疲れたので風呂に入って少し仮眠して18時に家を出て関内駅近くで軽く夕食を取って、いつもの麻雀荘へ行くと仲間が待っていて麻雀を始めた。

 この日は、最近、ついていなかったのがウソのようにツキが来て久しぶりに大勝ちした。


 麻雀と言っても賭け麻雀ではなく優勝者が麻雀後の飲み会が無料となり、2位が半額、3位が飲み代の三分の1、4位が、飲み代の支払いの四分の三を支払う事になっていた。


 と言っても、飲み行く所は、安い居酒屋で、気が向くと、2次会で誰かのボトルを飲むのが習わしだった。旅行の事を聞かれたが、薫子のことは、みんなに、秘密にした。


 マンションに帰って来たのは23時、近かった。風呂に入り直して、床につくと、直ぐに寝入った。翌朝、7時に起き、珈琲をいれて、昨晩、帰り道のコンビニで買ってきたパンを食べた。


その後、少し、酒が残っていたので、横浜の海辺を散歩して、山下公園まで足をのばし9時近くになると、会社に出勤してくる人達が、どっと増えて、道が混雑してくるので急いでマンションに帰った。


 その後、シャワーを浴びて、撮りためておいたテレビ番組の録画を見て、過ごした。現在、特に、会社に入ることもなく、亡き妻の友人の大学の医局から開業した若手のアドバイザーの仕事をしていた。


 そのためインターネットのメール見ると、かなりの数のメールが届いていて、2時間かけて、全部読んで、返信の文面を考えたり、文章を考えたりして、仕事が終わると13時になっていた。


 そこで、リビングの小倉庫に入っている折りたたみ自転車をだして、中華街へ向かった。そして、好きな店に入って、ランチを食べた。食べ終わると、体調が良かったので、海の見える丘公園から、外人墓地、山手の方をサイクリングした。


 15時過ぎにマンションに戻った。汗をかいたのでシャワーを浴びて、ソファーで映画を見始めた。すると1持間ほどして眠くなり昼寝して、18時前に起きて、それから録画した映画を見続けた。

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