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2話:学問の目覚め、彼女との思い出

 そして、ドストエフスキーの罪と罰、トルスト地のアンナ・カレーニナ、ツルゲーネフの父と子、ショーロホフ、静かなるドンと、次々に渡された。とにかく寝る間も惜しんで読むと、集中力がついてきた。


 また、日本人の気質と全く違う、ロシア人の考え方、行動など、興味深かった。その中でも、最後の静かなるドンにいたっては、長編過ぎて、読み終える頃には、最初の頃の出来事と流れを忘れてしまうほどだった。


 仕方なく、もう一度読み直した。とにかく、忍耐強いというか辛抱強いというか生きると言うことの喜怒哀楽、厳しさ、荘厳さ、激しさに圧倒されてしまった。お姉さんに、感想を聞かれた。


 その質問に、正直に答えると、自分だけで考えることが身についてきたわねと誉められた。そして、次に、日本の小説もたくさん読んでご覧なさいと言われた。川端康成、夏目漱石、幸田露伴、宮沢賢治なんか、良いと思うわよと奨められた。


 そこで、川端康成の雪国、夏目漱石の坊ちゃん、こころ、幸田露伴の五重塔。太宰治の走れメロス、宮沢賢治の銀河鉄道の夜、セロ弾きゴーシュも読みなさいと文庫本を貸してもらい読んだ。


 最後に、最近読んだ、フランソワーズ・サガンの「悲しみよ、こんにちは」を渡された。こうして中学2年になる頃には、苦手だった国語が克服でき、主要5科目の成績が急上昇した。


 そのため、主要5科目の成績が、クラスベスト3、学年でも、もう少しでベスト10と言うところまで来た。一方、清水のクラスでは、赤茶色の髪の毛の色白の娘さんがいて、仲良くなった。


 彼女は、一目見て、外国人の娘とわかり名前を中本薫子と言った。関西なまりの日本語を使うので面白いと思ったのが、きっかけとなり、つきあい始めた。英語がとても上手で、彼女と英語の発音や会話の練習をするようになった。


 話をしてみると、お父さんは、亡くなり、お母さんと2人暮らしで同じ団地の住人だとわかった。しかし、彼女は、自分の事について、ほとんど話さず、神戸で育ったとだけ教えてくれた。


 そして、彼女も関東に来るのは、初めてであり、東京の新宿、渋谷、銀座、横浜、山下公園、中華街、江ノ島にも連れて行ってあげた。彼女は、なぜか、とても警戒心が強く、打ち解けてくれるまで、随分時間がかかった。


 しかし、中学2年時には、勉強を教えた。しかし、集中力がありかなりの勢いで勉強をして、中学2年、夏休みの頃には、クラスでも上位の成績になり、地元の公立の名門高校を目指すと言い始めた。


 どうしても、そこに入りたいと必死に勉強し清水と成績で競り合う迄になった。何か、理由があるなと思い聞くと、どうしても、私が、稼がないと将来食べていけないと清水に、その訳を打ち明けた。


 母が、病弱で、内職しか出来ないので、何とか、生活を楽にさせてあげたいと言うのが本音だと打ち明けた。公立高校を出て給料の良い銀行に入って、母に、良い生活をさせたいと、話すようになった。


 その後も合う度に、頻繁に将来の夢を語り合った。その頃、清水は、近くのキリスト教会で毎週、日曜日のミサの後、60分間の英語教室を開いているのを知り、参加し始めた。それにより英語も強化できた。


 中学2年の2学期、一斉テストで、学年ベストテンに入り最高成績となり大喜びした。今後の進路を考え、持っても得意科目はと考えると地理、歴史、政治経済だったが、生かせる仕事の領域は狭いと考えた。


 次に得意な数学を使えて、新しい研究がしたいと突然と考え始めた。その頃、化学実験の授業で透明な水溶液に試薬を入れると色がつくことに、驚き、妙に気になってしまい、そうだ化学を勉強しようと突然、決断。


 その話を両親にすると驚いていた。母が、うちは、お金が少ないから、大学を卒業させる資金を出せないと言いだした。父は、お前は、健康な体なのだから中卒で働けと言い、せいぜい公立の工業高校までだと言い放った。


 その話を聞き、内心、かなり傷ついたが、仕方がないと思い、中学卒業後の進路の資料を調べると5年生の工業専門学校があり、八王子に国立高専がある事を調べ上げた。

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