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1話:生い立ちと中学の思い出

 清水薫は、北関東の貧農の家に生まれた、その後、両親が北関東の田舎では食べていけたいと思い、私が2歳になったばかりの時、横浜に職を探して、上京した。そして町田の郊外、成瀬の農家の納屋に板の間を作った。


 そこに6畳の畳を入れて布団を2組買って生活し始めたのだ。その頃、痩せていて決して健康ではなかった。幼稚園に入った後、その幼稚園で流行した結核にかかり、6人が、近くの大きな病院の隔離病棟へ入院した。


 友人達は、1週間以内に2人、2週間以内に2人と次々に退院し、もう1人も3週間で退院して、清水薫だけが、独りぼっちで長い入院生活を送ることとなった。幼稚園の友達の親から差入れの絵本が数冊もらい退屈凌ぎに、じっと見ていた。


 しかし、寂しさが、こみ上げ、涙にくれた。夕方、母が、見舞いに来てくれるのが、唯一の楽しみだった。そして、母の温かい手の思い出が、今でも思い出される。結局、入院が長引き3ケ月後、病状が悪化して一時、生死の境をさまよった。


 そして、病魔と自分の行きたいと言う、強い願いとの戦いに勝利して、病魔に打ち勝ち、半年後、退院となった。やがて、友人達が、みな小学校に入る年になって時、何とか一緒に入学した。


 しかし、まだ、病弱で、病院に通院していて、週の半分は、休むことになったが、学校からの手紙やノートを見せてくれる優しい友達もいて、なんとか、同級生についていった。


 そして3年生になる頃には、体育のと期に見学だった以外、全く同じ様に勉強できた。それでも、海軍上がりの父は、横浜、桜木町の日本石油の関連の回槽店に、ボーナスなしのアルバイトのような形で働いていた。


 自分達で、食べられる野草、せり、自生する、きのこ、タケノコ、タラの芽を取り、近くの農家の人達が、可哀想に思い、米、野菜をくれた。そうして何とか食いつないだ。


 その後、小学校5年の時、町田駅から近いに1960年に、都営M団地ができ抽選に応募し当選し引っ越した。その時、小さいときから、優しくしてくれた近所の人達、学校の仲間との別れが、とても悲しかった。


 引っ越してみると、境川が近く、2DK、鉄筋コンクリート5階建て1棟の40室の都営団地が、数多く整然と並んでいた。それでも、新しい畳の匂いが、とても気持ちよかったことに感激したことを思い出す。


 エレベーターのない団地の2階に入居した。我が家は、私には2歳と4歳下の弟がいて家族5人だった。そのために小学校高学年になってくるとやはり部屋が狭い。


 母は、一番下の子が手がかからなくなった頃から火災保険の集金とセールスの仕事を日給・月給と歩合制で始めた。それにより、少しずつものが増え白黒テレビを買ってもらった時、感激したのを今でも鮮明に覚えている。


 小学校6年の頃は、すっかり元気になり太っていたのでマラソンを始めて減量をはかった。すると中学に入る頃には痩せた。中学に入学すると急に勉強が難しくなり一生懸命、勉強しないと授業について行けなくなった。


 そのため仕方なく勉強したが、よく考えてみると、貧乏から脱するためには、優れた頭脳が必要だとわかると、必死に勉強するようになった。勉強に疲れるとトランジスタラジオから流れてくる音楽聴いた。


 それは、アメリカン・ポップス、ビートルズ、黒人音楽などを聞くと息抜きになり勉強に集中できた。その洋楽を聴き英語に興味を持った。その他「米軍基地放送」FENの放送も興味深く聞いたものだ。


 中学1年でクラス40人中10番位の成績で公立高校に入るためずいぶん勉強し、理科と英語、数学が好きだった。団地の近くに住む、母の友人の娘さんが横浜国立大学に合格したと喜んでいた。


 それを聞いた母が、是非、息子に勉強を教えてとお願いした。月千円で週1回、1時間、その娘さんの家で教えてもらえる事になった。ちなみに、1963年当時の団地の家賃が月5千。


 もちろん収入によって家賃は差があり一番安い家賃だった気がする。大学生に教えてもらい始めると、そのお姉さんが、勉強の基本は、考える事と感じる事よと言った。そこで、まず本を読みなさいと言われた。

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