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親子喧嘩というには……
「……朕が死んだ後だと?
フン、知ったことか!」
「なん……だって?」
「国は王のためにあるのだ。
朕がいなくなった後など、何故考えねばならぬ」
ヤンカム王は、ここに来て開き直っていた。
「……」
「朕が死んだ後のことなど、何故考えねばならんのだ!」
「……そうか、わかったよ」
「む?」
「アンタが……アンタみたいな王がいるから!
この国で不幸が生まれる!!」
「……ハン!諸悪の根源だとでも言うのか?」
「クリスの言う通りだ!
たかが王が思い上がるから……!
所詮は人間でしかないのに、神のようなものだと思いあがるから!」
「それを、王子たるキサマが言うのか?」
「そうだ!王子だから……僕が終わらせる!」
「それこそ、傲慢だろう?
キサマに朕を殺す権利があるとでも?」
「黙れ!
アンタにこそ、僕らを殺す権利などなかった!
いや……そんなもの誰にだってないんだ!
けど、そんなことを考えるアンタがいるから!
僕らのためだけじゃない!国のため!民のために……斬る!」
「笑わせるな、それこそ殺意の理由を国や民に転換してるのどろう?」




