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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第14章 邂逅する少女
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身勝手なる王

「……ハ!

何を言う!

隠居だと?朕が?」


「……!」


「朕は常に玉座にいねばならぬ!

何故キサマら如きにくれてやらねばならぬ!」


「……ま、まさか、それが理由だと?」


「……」


ヤンカム王は大きく目を見開くクリシュナを見て、

開き直ったように笑いだした。


「く、ふふ、フフフ、ハハハハハッ!

しかし、キサマにも分かるだろう、朕から玉座を奪いとったキサマには!」


「何を……!」


「力とは……権力とはこの上なく素晴らしい!

王子だった時とは違う!誰一人として、朕に跪かない者はいなかった!」


「ち、父上…………俗人がぁっ!」


クリシュナは剣を抜いた。


「クリシュナ、王子!」


「つまり、あなたは……!

その玉座に拘るためだけに僕やノイルを殺そうとしたんだと、言うんですねっ!!」


「……わからぬか、キサマには……わからぬだろうな、まだ玉座に座らぬキサマには」


ヤンカム王の目には憐れみすら浮かんでいた。


「っ!!な、なら!僕やノイルを始末して、死ぬまで玉座に居座って!それで、その後はどうするつもりだったんですかっ!!」

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