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確信と予感
「なっ……」
どう言う事なんだ?
私が、拳銃なんかでここまでのダメージを負うなんて……
「……」
ヒッチコックが私を見据えたまま、一歩また一歩と近づいてくる。
その行動も意味がわからない。
せっかく飛び道具で、私にダメージを通せる武器があるというのに、利点である距離を詰めてくるなんて……
「く……」
ずきずきと両手が痛む。
貫通したとは言え……いや、むしろ貫通したからこそ、見た目程危険な傷ではない。
多少の機能は低下しても、戦えないこともない。
回復魔法を使えば、元の状態にだって戻せる。
……目の前の女、ヒッチコックさえいなければ、だが。
不気味だ。とにかく、不気味だ。
真正面からぶつかれば、負けるはずがないという確信さえあるのに、まともに対峙すれば絡め取られる予感がする。
矛盾した確信と予感、この不安感を拭い去るには前進しかない。
私もまた、ヒッチコックに向けて歩みを進めた。
罠の予感をしても、後退しては必要以上に相手を肥大化させてしまう。
だから、私は確信の通り、正面からぶつかりにいくことにした。




