親子の信頼関係
「勝手なこと、ですか……
状況証拠……いや、そもそもクリシュナ王子が何を信じるかではないですか?」
「っ!」
クリシュナはまた小刻みに震えていた。
「……そんな、理由で?
実の親子である、僕やノイルを殺そうとした……?」
「惑わされるな、クリシュナ!
そんな女より朕を信じるのだ!」
「さぁ……さっきは私を信じたようですが」
「ふざけるな!」
「!」
ヤンカム王が叫ぶと、クリシュナは間髪入れず近くにあったテーブルに拳を叩き下ろした。
「クリシュナ……?」
「そうだ……貴方はいつもそうだった。
思い通りにいかなければら、叫んで……喚いて。
子供の頃はそれが王の……大人の恐ろしさだと思っていたけど、なんて事はない。
貴方のソレは子供の癇癪とそう違いはなかったんだ」
「な、何を言う、クリシュナ!」
「父上……貴方を信じたかった。
だけど、貴方を信じる要素が何一つ見つからなかった」
「キサマ……!」
「……いいですよ、白黒はっきりさせましょう。
貴方を拘束し、一時的に僕が王となれば、その力で正式に調査します。
その上で、これが誤りだったなら、謝罪と共に貴方に王の座を返します。
ですが、誤りでなかったのなら……二度と玉座に座れないと思ってください」
クリシュナはあえて、それ以上のことは言わなかった。




