983/1085
王と王子の違い
「父上、あなたこそ、あなたの意見と僕の意見が相入れないと知っていた。
だから、命を狙ったんじゃないですか!?」
ヤンカム王は一瞬驚いた顔をした。
そして、すぐに鼻を鳴らした。
「……ハンッ!馬鹿な。何故、王たる朕が王子であるキサマ達の意見など気にしなくてはならない?」
「?!」
「キサマ達の意見など、朕の前では些末なものよ。
気に入らねば握り潰せばいい」
「あ、貴方は……!」
私/僕はそこで息を吐き出した。
そして、知っていた答えを放り投げた。
「だから……だから、貴方は、その王たる地位・権力を守りたくて、
後継者であるはずの息子達の命さえ奪おうとしたん……ですね」
「……」
「はっ……え……は……?」
ヤンカム王の顔はみるみる無表情に変わっていった。
それを見たクリシュナはただただ困惑していた。
「つまりは、こういう事……だ、クリシュナ。
クリシュナ王子は怖くもなんともない。
しかし、"クリシュナ王"は怖くて堪らなかった」
「!?」
「き、キサマッ!!勝手なことを抜かすなッ!!」




