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袋小路
「ぐぅおおおっ!」
力任せに押してくるミシオン。
「進退窮まった、ということですか」
言い方を変えれば万策尽きた、と言うべきか。
もう力押しに頼るしかない程に追い詰められた。
開き直って力押しに賭けた。
もちろん、それでは私は倒せないのだけど。
「駄目ですね、それじゃあ。だからーー」
私の蹴りがミシオンの腹部に刺さった。
「ーー飛べ」
「ぐぁっ!」
吹っ飛ぶミシオン、私はそれに向けて、ナイフを構えた。
「『隼剣』」
斬撃が追い打ちをかけ、ミシオンの外套も切り裂いた。
そして、ミシオンはその場に倒れた。
これで、『インビシブル』はその体を為さなくなった。
「キサマら、何をやっている!!何故そんな女一人どうにも出来ない!?」
「ヤンカム王、貴方の負けです」
「なんだと!ふざけるな!……起きろ、ミシオン!」
「……!」
ミシオンはふらふらになろうとも、起きて立ちあがろうとした。
「っ……『アイスロック』」
私はそんなミシオンを氷魔法で拘束した。
「これで、彼は動けません。無駄な抵抗を彼らに強いるのはやめましょう」




