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証明問題
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算数や数学の問題で答えだけ書いて、それが正解だったとしても納得してもらえないのと同じだ。
私が"答え"を知っていたとしても、そこに至るまでの道筋を示して証明しなければならない。
細かい記憶まではない私にとって、それは"答え"から逆算し証明するという行為だった。
「そんな……まさか、父が……!?」
「あくまで、可能性の話ですが」
「……理由がない。なんでそんな……」
「重要なのは理由ではないです。ヤンカム王なら可能だという事実です」
「……」
クリシュナは暗い表情で考えこんだ。
「考えてみて下さい。そもそも"貴方に暗殺を仕向ける"事が出来るのはこの国の中では王族くらいなものでしょう?」
「……テロリストという可能性も」
「だとしたら、狙いはヤンカム王ではないですか?
それに、現状の変革を願う傾向があるテロリストにとっては、貴方の思想はむしろ望ましいほうではないですか?」
「そんなの、一概には言えない……だろ?」




