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不可視の部隊
「い、『インビシブル』だと!?そんな部隊聞いたことないぞ……!?」
「馬鹿め、貴様が知ることが全てだと思うておるのか」
「くっ……秘密部隊だということか……!」
「さぁ、『インビシブル』よ、狩りの時間だ!」
それと同時にヤンカム王の周りで何かが動いた。
『インビシブル』、不可視の部隊。
あのミシオンという男が羽織っていた不可視の外套……マジックアイテムの類だろうが、それを用いて、ヤンカム王の指示のまま動く、この国の"暗部"だ。
そして、不可視の部隊はその性質を利用し、敵の兵士を一方的に狩っていった。
ーー
「『インビシブル』だって……?そんなの僕も知らないぞ……」
「……」
「父は僕にも知らせず、そんな秘密部隊を持って……何をしていたんだ」
「……秘密、部隊」
「え?」
「何か、引っ掛かるところがありますね」
「え?…………!?」
ーー
「おい、ミシオン」
不可視の上着を着直そうとするミシオンをヤンカム王は呼び止めた。




