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王将
事前に位置は確認しておいた、"記憶"と同じ場所だ。
進路にいる敵の兵士を倒しながら真っ直ぐにヤンカム王の元へーー
王の前では睨み合いになっていた。
私はクリシュナを制して、様子を見守ることにした。
ヤンカム王の前には、彼を守るように王宮兵士が四人。
加えて、王は拳銃を敵に向けている。
敵の兵士は6人に加え、鎧の宝飾が豪華な将軍らしき兵士が奥に控えている。
その将軍が王へと語りかける。
「抵抗は余計な犠牲を生むだけです。やめましょうよ。
大人しく投降すればそれだけ犠牲が少なくなります」
「黙れッ!誰が貴様らのようなモノにッ!」
「貴様らのようなって、我々が何者かわかってるんです?」
「蛮族であろう!」
やれやれと将軍は両手でお手上げのポーズをした。
そして、すっとヤンカム王を指差した。
「お前のような無能が玉座に座るなど、悲劇でしかない」
「なんだと、貴様!」
「頭が高い、頭を垂れよ。
我はお前の代わりにこの国の王となる者ぞ」




