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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第5章 戦い続ける少女
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少女が落ちてきた夜

無意味だと感じつつも、動線上の邪魔な”狼”を切り捨てつつ、他の”狼”達を追う――


”狼”達の多くは建物の屋根の上を駆け、北西の方角へと向かっていた。


そして、私は見つけた――





”狼”達が集まる”標的”に――



「!?」


”狼”にまとわりつかれた人影が、屋根から落下した。


「危な――」


助けようと地を蹴るが、()()の動きを見て、すぐに足を止めた。


無防備の姿勢で落下したかと思うと、”狼”達を下敷きにし、


タイル張りの地面に叩きつけると、自身はその衝撃を緩和するように、

反動で宙に舞い――そして、私の目の前に着地して見せた。



「あ、貴女は、この前の!?」


あの水夫のような――そうだ、セーラー服だ。


セーラー服の剣士、あの時の少女がそこにいた。


「――――」


「貴女が狙われていたんですか!?」


少女は答えず、私を見据えて、剣を構えた。


「■■■■■■■■■■■■■■■、□□■■■!!」


「!?」


今、なんと言ったのだろう?


言葉だったはずなのに、私はその言葉を認識出来なかった。


と、次の瞬間――


「!」


少女は私に向けて斬りかかった。


「く……!」


私はそれを受け止め、鍔競り合いの形になった。


「ま、待って下さい!今、貴女と戦う意思は――」


再戦したいという、気持ちはあった。


しかし、現状を見れば、そんな状況でないことがわかる。


”狼”達は私達の剣が重なったのを見て、取り囲むように様子を伺っていた。


狼だと言うのに、まるで、漁夫の利を狙うハイエナのように――


「――!!」


少女はなおも力を込め、私を斬り伏せようとする。


「く……!」


前回と同じだ。


私の声は届いていない。


こうなったら――


「――わかりました」


「!?」


剣を跳ね返すと、少女は跳び、一定の距離をとった。


「――お相手、しましょう」


私は剣を構え直した。


”狼”達の狙いが彼女ならば、彼女を街の外に追いやれば、”狼”達は街から去るだろう。


根本的解決ではないとはいえ、それで街の人は助かる。


「貴女を、倒します……!」

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