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乱戦
騎士達がヤンカム王の号令に従い、剣を槍を抜いて抵抗の意思を示した。
「ふん……そうくるだろうとは思っていたよ!」
兵士達が襲いかかり、パーティー会場は一気に戦場と化した。
私は、用意していたナイフをスカートの中から抜き、両手に持った。
「クリス!」
クリシュナも剣を抜く。
「前には出ないでください!私の後ろに……!」
多少腕に覚えがあろうと、クリシュナを戦わす訳にはいかなかった。
雪崩れ込んできた、兵士と王宮騎士の乱戦の中、迎え撃つことに集中出来る今の位置が良い。
私一人ならともかく、下手に遊撃に出て、クリシュナを護衛出来る確信はなかった。
それに乱戦というのが面倒だ。
広範囲魔法で一掃という手段が取れない。
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もっとも、一掃して"彼ら"の正体がわからなくなってしまう可能性を考えるとよろしくはないのだけど……
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ナイフを構える私を見て、兵士の一人が迫ってきた。
「女ぁっ!そんなものを構えて、抵抗するつもりかっ!!」




