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襲来
そして、"時間"になった。
「……」
会場を管理している使用人達がばたばたと忙しそうに動く。
「なんだ?何かあったのか……まさか?」
「クリ……王子」
私は目で合図を送る。
その意図を感じとったのか、クリシュナの顔は強張った。
「私の後ろに居てください。彼女達は会場の端へ」
「わ、わかった!」
戸惑う、取り巻きの女性達を壁の方へ誘導する。
その辺りで、パーティ会場では何があったのかと、ざわざわと騒ぎ出していた。
その喧騒を、悲鳴が引き裂いた。
窓という窓が割られると、同時にフルメイルの兵士達が扉から雪崩れ込んできた。
「なんの騒ぎだ、これは!」
声をあげたのは、ヤンカム国王だった。
兵士達はそれには答えず、装備していた槍を向けた。
「なんのつもりだ!?」
「これより、貴様らを拘束する、抵抗する者は何者であろうと処断する」
「なんだと!?誰に向かってそんな口を聞いているっ!
王宮騎士達よ、この無礼者どもをひっ捕えいっ!!」




