948/1085
不真面目と真面目
「その点については信頼してます」
「褒めて、るんだよな?」
「逆にききますが、何故疑問に思うんですか?
自分の中でそうではないと言っているようなものですよ」
「うっ……」
「この二日で貴方がどういう人間かは理解しました。
いい風に言えば、人当たりがいいと言えますが、
貴方のそれは軽薄さですよ」
「す、すまない……ん?
結局、褒めてないって事だろ、それ!」
おっと……口が滑ってしまった。
「まぁ、ふざけるのはこれくらいにしましょう」
「君がそれを言うのは釈然としないのだが」
「真面目な話をしましょう」
「う、うむ……」
「それで……そろそろ話してもいいんじゃないですか?」
「私をパーティーに参加させる理由です」
本当は知っている。
だけど、それは二人の共通認識ではない。
私が知っているということを彼は知るべきではないのだ。
「……」
クリシュナは言いづらそうに顔をしかめていた。
それでも、首を振って、意を決したように口を開いた。
「理由は二つだ。
一つは君に見てもらいたかったから、
そしてもう一つは、パーティーが荒れると予想出来るからだ」




