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至る
「”また”ですか?」
「いや、そういうつもりじゃなく、本音で言っている
どういう訳か、君は……特別なんだ。そういう意味ではなく」
「……。なんですか、それは」
そうは言ってみたものの、私もまた何か特別なものを感じていた。
恋慕の情だとか、友愛だとか、そういうものでもなく、なんというか根源的な……
――//――
『だから』
「だから」
『君は信用出来ると思ったんだ』
「君は信用出来ると思ったんだ」
「――――」
あ。
ああ。
あああああああああああっ!
繋がっ……た。
そう、だったの、か……?
いや、そうとしか考えられない。
そもそも、こんな砂漠の国の王子と私に繋がりなんて、あるわけがないんだ。
だと、したら、だから……彼は私だ。
そして、私は彼だったのだ。
だから……
だから……
―――――――結局、私は誰だ?
「……クリス、どうしたんだい?」
「……」
……だとしても、今は目の前のことを考えよう。
この後は……私の立ち回りは……役どころは……




