ドーナツ
年が変わるのを機に、企画用の作品の執筆を始めようと思います。
それと平行になるので、暫く更新頻度が落ちることになると思います。
着替えが終わるとすぐに行きたい場所とやらへと、二人だけでの出発になった。
ラクダに荷台を引かせて……
馬はともかく、ラクダの扱いはわからない。
手綱はクリシュナが握り、私はクリシュナの乗ればいいという提案を遠慮して、
ゆっくりと進むラクダの隣を歩いていた。
私は荷台をみて、思わずぽつりとこぼれるように言った。
「こっちの馬車……いや、ラクダ車?」
「どうしたんだい?」
「あ、いえ、独り言です」
「?そうかい」
「それは、そうとして、どこに向かってるんですか?いい加減教えてもらえませんか?」
「ああ……いや、君に隠すつもりはなかったが、どこで誰が聞いているともわからないからね
とは言え、出発してしまえば同じことか。
街の一番外側だ」
「外側……」
大抵、街の中心に行けばいく程、栄えているものだ。
昨日、この『パラダイム』を歩いた時も、その礼に漏れておらず、中心に行けばいく程豊かだった。
つまり、逆に言えば街の外側とは最も栄えていない場所だということに他ならない。




