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意識の違い
用意されていた服は、ドレスではなかったものの、大きなスカートのとても動きづらいものだった。
つくづく……私が護衛であることを考慮していない。
まぁ、カモフラージュの意味はあるのだけど、
それでも、いざという時に動きづらい服というのはいただけない。
一分一秒を争うことになりかねないのだ。
それも、どちらかというと、私よりもクリシュナの命に関わることだ。
やはり、なあなあにせずに話しておくべきだろう。
私はあえて、怒り顔を作って、食卓に向かった。
「やぁ、クリス。よく眠れたかな?」
「っ……」
そのことも話しておくべきか。
「ええ……護衛としては失格ですが」
「ン……ああ、気にしなくていいよ。四六時中気を張るのも疲れるだろう?
就寝中も僕の兵が警戒してくれている。
非常事態の知らせでもない限りはゆっくり寝て、万全に備えてくれ」
確かにその通りだ。
私が通常の人間ならば。
「私は三日から一週間は眠らずとも活動出来ます。
万全を期すなら、夜も私が警戒しておくべきでしょう?」




