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ガサツな子
「え、あ、そうなんですか」
王子の割には豪快だなと思った。
まぁ、男性だからそういう側面もあると思ったけど、
その場合、私はどうなるのか。
「うーん……」
「どうされました?」
「あ、いえ……」
これまで気にしてこなかったのは私なのだけど、淑女の嗜みのようなものを意識すべきではないだろうか。
シンシアさんに言われてたのは、これだったのだろう……
……
仕方ないじゃないか、田舎者なんだから!
と、開き直ってどうにかなるものでもない、以後気をつけよう。
「こちら、お着換えになります」
「あ、どうも」
至れり尽くせりだな、と思ったところで、
メイドがその着替えの服を着せようとしたので、制止した。
「じ、自分で着るので大丈夫です!」
「しかし、お客様へのおもてなしとして……」
「そんな、かえって困りますよ、そういうの、不慣れなんですから!」
私はなんの告白をしているんだ……
メイドは私の意思を汲み取ったのか、頭を下げ、後ろにも下がった。
「かしこまりました。朝食を用意していますので、昨日と同じ部屋でお待ちしています」




