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ドレスコード
「っ……私は、作法なんて知りませんよ」
「それは織り込み済みだ。しかし、僕が参加する以上、そこにいてもらわねば困る」
「しかし……」
「こう言ってはなんだが、目立たないところで、離れて見てくれればいい。
そして、いざという時に戦ってくれれば」
「……明日もこのドレスですか?」
「ああ……あ、いや、別のドレスを用意しておこう。
君の好みで選んでくれればいい」
結局はドレスを着ることに変わりはない。
そこに問題が生じる。
「剣を携行出来ません」
「あ……」
いつもの剣は置いたままだ。
正式な護衛なら、剣を持っていてもおかしくはない。
しかし、クリシュナの狙いとして、護衛とわからない護衛として、ドレスを着て、
そこに剣を携えるのは違和感でしかない。
「まぁ、素手でも戦いようはありますが」
「とは言え、武器がないのは問題か……ナイフは扱えるかい?」
「剣ほどではないですが、一通りの武器は使えます」
「わかった、なら用意しておこう」
確かに、ドレスの下に隠すなら、そういう武器しかないだろう。




