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背中を預ける覚悟
「その通りだ……しかし、その前提を、信頼を崩してしまっては行動出来ない」
「それは否定しませんけど背中から撃たれる覚悟はあるんですか?」
「もし、そうなれば、僕が不甲斐ないせいだろう。
王として相応しくないと思われた結果だ。受け入れよう」
「……その覚悟があるなら、構いませんが」
クリシュナは頷くと、立ち上がった。
「部屋の方へ戻ろう」
なら、執務室に立ち寄った意味はなんだろうと考えた。
恐らくはクリシュナ自身も私の考え……
自身の臣下さえも信頼しきってはいけないということを、察していたのではないだろうか。
だから、その話を聞かれたくなかったから、使用人が控えていなかった執務室に立ち寄った。
そんな気がしてならない。
彼は……そして、私は――//――知っていたんだ――//――
クリシュナの部屋に戻ると今後の話になった。
「明日の夜、パーティーがある」
「パーティー?まさか、そこに参加しろとは……」
「もちろん、参加してもらう」




