925/1085
ノイルの色
「はは、まぁ、そんなのは想定の内さ。問題はノイルが”シロ”か”クロ”かってところさ」
「……!……それを言うのなら、まずは貴方の意見を聞かせてもらえますか?」
「ン……グレーというのが正直な意見ではある」
「それはそうでしょう。態度だけを見て、シロクロ付けるというのが無理があります」
「なら、君の意見もグレーということかい?」
なんだか、そう言われるのはどことなく、シャクだ。
「うーん……そうですねぇ……あくまで、意見であって、発言を保証はしないという前提で言いますが」
「もちろん、それで構わない」
「ノイル王子には何かあるような気がします。
しかし、それと貴方への暗殺は直接関係がない気がします」
「つまり、シロだと?」
「この件に関しては、ですが」
直感でそう思ったから、そう言ったに過ぎない。
しかし、クリシュナは黙り込んで、考えているようだった。
「私の推測の話ですよ?」
「ああ……いや、わかってる。ただ、僕自身先入観を持っていたのかも知れないと感じた」




