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まるで白昼夢
『と言っても、形状そのものに拘りはない。
僕は外、砂漠や照りつける太陽を遮断する巨大な建物を造りたいんだ』
『ドームの中で農業と畜産を行うつもりだ。元々砂漠だった地でやるのは大変だとは思うけど、
それに適した環境にさえ出来れば、いずれ出来るはずだ。
それが、上手くいけば、国内で食料品を賄うことが出来るだろう。
最低限、必要な輸入をなくすことが出来る』
『もちろん、口でいうより簡単なことではない。
ただ、国外にある、著名な建設技術と魔法技術を駆使すれば、建築そのものは可能だ』
『ただ、それには、莫大な資金が必要になる。
だからこそ、僕が王になれば、国の運営費をそこにつぎ込むことが出来る』
『……あくまで、机上の空論で、賭けに近い方法だけどね
しかし、このままではジリ貧だ。国も国民もどんどんやせ細っていく。
少なくとも、僕の代で勝負をかけなければならないと思っている』
――//――
「……なるほど、確かに……それが上手くいけば……」
「う……ん?今の説明だけでわかったのかい?」




