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不毛の地
「それだけじゃない、他にも問題が山積みだ」
「なんですか？」
「例えば、この『ギンギ』は外貨の獲得に困っている」
「外貨……」
あまり国家間の事は知らないが……
「貿易ですか？」
「そうだね。それが目下の困りごとだ。
見ての通りこの国は砂漠に囲まれている。
故に生み出せるものは限られている。
逆に外国から取り寄せるしかないものも多い……先程、僕達が食べたものの殆どがそうだった」
「輸入と輸出のバランスが悪いんですね、それも好ましくないほうに」
「だが、必要なものは必要だ。
なら、どうする？」
「それは……まぁ、あまり方法を選んではいられないんじゃないですか」
「ああ、正直に言ってしまえば、不健全な事業も多い」
「それは……問題だと思いますが、どうすればいいのかは考えてるんですか？」
「考えならある。ドームを作れば、大きく環境が改善できるとはずだ」
「どーむ？なんですか、そ――」
――//――
『元々は屋根の形状を意味するが、僕が言いたいのはそういう形状の建築物のことだ』
