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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第14章 邂逅する少女
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孤独の王

クリシュナは必死に言葉を選んでいるようだった。


「……命を、狙われました」


「ふん……それがなんだというのだ?」


「……!」


こんな王が、父が、人間がいるのか。


血を分けた我が子が命の危険にさらされたことを、そんな風に言うのか。


ましてや、自分達だけでなく、国全体のことにもつながってくるというのに……


「……いえ」


クリシュナには諦観といった表情がこびりついていた。


「クリシュナ、キサマが生きようが死のうがどうでもいい。

朕の後釜になる者は、強者だけだ。

キサマはただ単に近い位置にいるだけに過ぎん」


「心得ています。

ですが、陛下……いえ、父上もどうか、お気をつけて」


「ふん……」


王は鼻を鳴らすと追い払うように、手をしっしっと振った。


クリシュナはそれを見て、頭を下げて出ていく。


私もそれに続こうとしたところだった。


「覚えておけ、クリシュナ。

王とは孤独なものよ。周りは敵だと思い続けねばならぬ」


思わぬ言葉だった。


それは忠告なのか、或いはただの独白か、もしくは助けを求める叫びか?


それをはかることも出来ないまま、クリシュナと共に王の間を後にした。

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