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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第14章 邂逅する少女
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スロースピード

クリシュナに誘導されるまま、ラクダのコブの前に座らされた。


そして、クリシュナは手綱を持ったまま、後ろに……


回ろうとしたところを手で制した。


「やめてください、口説くんじゃないんですよね?」


仮にそのまま後ろに座られたら、手綱で拘束されるように……後ろから抱き着かれるのに近い形になっていた。


「あっ……い、いや、すまない。普段のクセでついやってしまったんだ」


「……」


それはそれで信用できない。


つまりは、女性には誰にもそんなことをしてるってことじゃないか。


「……ハァ。後ろに座りますね」


「あ、ああ……」


クリシュナが前に、私が後ろに座ると、ラクダはゆっくりと歩き出した。


「ここまで来れば、もうすぐだ。

ゆっくりと行こう」


「はぁ、そうですか」


ラクダは街の中心の方へと歩みを進めていた。


宣言通り、ゆっくりだな、と思った。


「ラクダって、こんなスピードなんですね」


「いや、もっと速くも走れるよ。

だけど、街中だからね」


ああ、それもそうか。

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