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一人と一頭(一羽ではない)の行進
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遮るものは何もない照りつける太陽の下、
私は砂漠を進んでいた。
シンシアさんに砂漠越え用に、マントとゴーグルを用意してもらった以外余分な装備はない。
食糧に干し肉を何枚かと、持たされた水筒(私に関してはなくともなんとかなるのだけど、あったらあったで助かるのでありがたく貰った)、必要最低限のお金……
あとは剣といったいつもの装備だ。
それだけで、私は砂漠を越えようとしていた。
「とても正気やと思えんのやけど……」
ああ、そう言えば、これもいた。
この砂漠越えの唯一のお供、蝶が私にまとわりつくように舞う。
「あなた、そんな風にして平気なの?」
蝶のための装備はない。
サイズがあったものがないからだが、いつものように布きれを纏っているだけだ。
「ははははは……平気な訳あらへんよ。砂漠に蝶なんておるんか?見たことないわ……」
どうやら、空元気だったようだ。
「だったら、無理しないで、外套の中に入ってなさいよ。
直射日光浴びてたら、干からびるよ?」




