無闇な方法
朝食をとり、支度をして、街に繰り出した。
物資の調達とアル兄さんの情報を求めてだ。
「……なんでしょうか、私が使ったものをクリシュナさんが使っている。
その事実が、興奮を生みますわ」
「さすがに、それは変態では?」
「……」
あの二人、本当に仲良くなったなぁ……
「えっと……あとは馬の餌がいるんですよね」
「え、あ、は、はい、そうです!」
「野菜くずでいいなら、野菜屋より飲食店に聞いたほうがいいですね」
「……野菜屋?」
「どうかしました?」
「あ、いえ、そうですね……日本ではないのだし」
「え?」
「すみません、カルチャーギャップですわ。確かに、飲食店で交渉したほうがいいですわね」
「???」
……
飲食店で、野菜くずを安く譲ってもらって、買い出しは済んだ。
ただ、並行して行ったアル兄さんの聞き込みは芳しくなかった。
「アルスフォードさんの情報、どこに行ったらあるんでしょうか……」
「まぁ、ここは王都からも近いし、余り期待はしてなかったけどね」
そうは言いつつも、内心は落胆していた。
「ううむ……地道な聞き込みというのは重要だと思いますが、
このような少人数で行うものではないと思いますわ」
「そうは言っても、他にいい方法ありますか?」
「人探しと言えば、探偵に依頼するとか……」
「街の探偵で探し出せるなら、流石にもう見つかってると思いますが」
「地道にいくとしても、張り紙を張るとか……」
「街を出ると連絡手段がありませんよ?」
「……なんで、電話のような魔法はこの世界にないのでしょう」
「え?」
シンシアさんはぶんぶんとかぶりを振った。
「あとは神頼みしかありませんね」
「神頼み…………占いとかどうでしょうか?」
「占い……」
確かに、闇雲に探すよりも、占いでもなんでも指針を示してくれたほうが効果があるかも知れない。
「そうですね、駄目元で占ってもらいましょうか」




