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開花の時は
格上相手に使えないなら意味はない。
『無形の型』の本意がどうこう以前に、それでは必殺技の意味がない。
格上相手でも、逆転の一手……決めることさえ出来れば、大金星を狙えるものが必殺技でなければならない。
そう考えると、現状『改』は真意に近づいたと言っても到底、必殺技の体をなしていない。
「踊る剣技と重ねてみる……?」
とは言っても根本的な解決にならないだろう。
改善点としてはズレている。
真意には近づいたのに、技としては不完全。
これを解消しなければ、この技に”先”はない……
「どうしたの?難しい顔をして……」
「……!」
顔を上げる。
すぐ近くにちーちゃんが立っていた。
一人になりたいから屋根の上にいたのもそうだけど、気配に一切気づかなかった。
集中していたのもそうだけど、ちーちゃんの走法?動きかたが全く違うような……
「大丈夫?」
「あ、いえ……少し悩んでいて……」
「また、あの課題?」
「え、ええ」
「頭で考えてもわかるものじゃないと思うけどね。身体を動かして実践してみないと」




