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そもそも、迷いはしない
簡単な話、私が馬車を離れるのなら、馬車を守れるのはちーちゃんしかいない。
そもそも、戦闘要員というか、戦えるのが私とちーちゃんしかいない以上、そうする他ないだろう。
一応、傭兵などに護衛を頼むという手段もあるにはあるけど、
その分余分な費用がかかるし、実力という点でも見劣りしてしまう。
故にちーちゃんには悪いのだけど、選択の余地などなかったのだ。
「……ま、馬車に乗っていくのと、砂漠を渡ることを考えたら、馬車のほうが楽でいいけどね」
それもそうだ。
「それじゃあ、決まりですね。
出発はどうしましょう?」
「いつでも大丈夫ですが……シンシアさんの都合はどうなんですか?」
私達の準備なんて、シンシアさんのそれを考えると知れている。
私に限って言えば、今すぐに出発しても差し支えはない。
「そうですね……明日一日で準備を済ませましょう。
明後日の朝に出発がいいかと」
「いいと思いますよ。
他のみんなはどうです?」
「問題ないよ」
「何もないで。セレナはんにしても、馬車に積んでもらうだけやし」
「じゃあ、決定で」




