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心情を考えねば……
「それやったら、二手に別れるしかないんとちゃうか?」
「……まぁ、それしかないよね」
しれっという二人(?)に対して、シンシアさんは複雑な表情をする。
ショウ兄さんに言われたことを気にしているのだ、私の旅にお金や馬は必要ないという話……
それを聞いていない二人は自然とそういう話が出来るが、
二手に別れるとなると、どうしても私とシンシアさんは別れることになる。
あんなことを言われた直後に、
それを証明するように別れるという提案を、私は気づいていながらも口に出来ずにいたのだ。
「……そうですね。馬のことがないとしても、私が砂漠を越えられるとは思いませんわ」
シンシアさんの言葉に、なげやりというか、捨て鉢的なニュアンスを感じたのは私だけだった。
でも、確かにシンシアさんの心境を考えなければ、それがベストな選択だと言えた。
「それじゃあ、どう別れる?
……って、言ってもワタシがどっちに行くか以外決まってるようなものだけど」




