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周知
――――――
部屋に戻ると、これからのことを話しあうことになった。
もちろん、『フォーグログ』でリオ姉さんと会う、ひとまずの目的地に変わりはない。
しかし、ショウ兄さんに言われたことを、全員そろったということで、その時話した。
「クリシュナさんが、”クリシュナ”じゃない……!?」
「なんや、けったいな話やな」
「まぁ……言われてみれば、違和感はあったんだけどね。
でも、人の名づけのことだし、触れる必要はないと思ってた」
反応は三者三様。
そんな中、シンシアさんがおずおずと切り出してきた。
「な、なら、私はこれから、クリシュナさんのことをどうお呼びすればいいのですか……?」
「あー……とりあえず、みんなと同じように”クリス”呼び――」
でも、シンシアさんって、愛称で呼ぶのに抵抗あるんだよなぁ……
「――か、これまでと同じでもいいですよ。本当の名前がわかるまでは」
「そ、そうですか……」
シンシアさんはどことなく、ほっとした様子だった。




