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朝の一大事件 中編
「駄目って……どうして?」
「わたしじゃ、クリスさんの髪を切るなんて大役勤まりませんよ!」
「そんな大袈裟な……ちょっと鬱陶しくなってきたから、ちゃちゃっと適当に切ってくれればいいよ」
「ええっ!?」
と、そんなところで、シンシアさんが洗面所から戻ってきた。
「どうしたんですか?そんなに騒いで」
「クリスさんが髪を切ってくれっていってるんですよ!」
「なん……ですって!?」
「シンシアさんまで……大袈裟ですよ、髪切るくらいで」
「な、なに言ってるんですか!?
クリシュナさんは今の時点でもショートめなのに、さらに短くするんですか!?」
「いや、鬱陶しくなってきたから――」
「いやいや!全然鬱陶しくないですよ!」
「いや、私が――」
「それ、男の子の考え方!」
「でも、戦う時、邪魔になるし――」
「後ろで結べばいいじゃないですか!」
「……あの、どうして、シンシアさんはそんなに反対するんですか?」
「……知らないんですか?」
「え、なにをです?」
「作中で髪型を変えたキャラは大抵、前のほうがよかったって言われるんですよ!」
「な、なんの話ですか!?」




