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痙攣
ちーちゃんは丼鉢を用意すると、手際よく既に準備していたものを鉢に入れていった。
途中に麺のようなものが入った、麺料理のようだ。
「ま、まさか、それは……!?」
「こっちでは食べれなかったでしょ?……はい、どうぞ」
シンシアさんは、差し出された丼鉢をまじまじと見て、息をのんだ。
「……ら、ラーメンですって!?」
シンシアさんの声も身体も震えた。
「うん、所謂醤油ベースの中華そば、だね。
元々の中国にあったやつとか、家系とかじゃなくて、日本式の昔ながらの」
「っ…………!!」
シンシアさんは、ぶるぶる震えている。
「まぁ、何というか、別に中華そば原理主義者って訳じゃないんだけど、
きっと、久しぶりだろうから、こういうシンプルなのの方が食べたいかなって」
「…………!!」
シンシアさんの震えが……止まらない。
「あ、でも、ダシは野菜ベースだから、昔ながらのって風にも言い切れないか……
流石に、鶏がら用意するのも、煮込む時間もなかったから……
もちろん、インスタントのスープの素もないしね」




