朝の一大事件 前編
翌朝――
起床した私は洗面所で顔を洗っていた。
「ううん?そろそろ鬱陶しくなってきたかな」
「ううう……おはようございます、クリシュナさん」
「あ、おはようございます」
シンシアさんは今日の寝起きはあまりよくないようだった。
「二日酔いですか?」
「そういう訳じゃないですけど……お酒って寝覚めを悪くするので」
「あはは……じゃあ、顔、洗って、すっきりしてください」
そう言って、私はシンシアさんに場所を譲った。
「あれ?クリシュナさん、まだですよね?」
「いえ、顔は洗い終わってます」
「そうなんですか?じゃあ、遠慮なく」
シンシアさんが顔を洗ってる間に、私は部屋に戻った。
「あ、クリスさん、おはようございます」
「おはよう、セレナ。ちょっと聞きたいんだけどさ」
「なんですか?」
「セレナって、髪切れる?」
「髪、ですか?やったことはある、ぐらいです」
「じゃあ、ちょうどいいや。あとで髪切ってくれない?」
「……え?」
「いや、だから、私の髪、切ってくれない?」
「わ、わたしがですか!?
そんな……他にいなかったから、わたしがやっただけで、上手くもなんともないですよ?」
「いいよ、簡単にちゃっちゃっとやってくれたら」
「だ、駄目ですよ!」




