835/1085
神の怒り
タイルで舗装された道を記憶を頼りに辿っていく。
途中で何度か道を間違えながらも、その度に考え、思い出し、元の道へ戻る。
そして――
「ここだ……」
チヒロが飛び出した病院。
記憶の通りだった。
ちょうど、チヒロが破壊した外壁の修理を行っている。
ただ、それはそれとして、病院自体の運営はされていた。
「…………」
それで、だ……
病院にたどり着いたこと自体は進展と言えよう。
だが、この先は?
恥を忍んで病院の人間に聞くという方法はあるだろう。
しかし、この街に住んでいる訳でもない旅人の居場所を知っている可能性など――
「いや、そうじゃない、逆だ」
……
「旅人だからこそ……この街に住んでいないからこそ、連絡がつくようにしているはずだ」
…………
「そうしないと、料金を取りっぱぐれる可能性もあるし、
患者の容態が急変した時の緊急連絡先が必要だ」
…………………
「うん……そうだ、聞いてみればいいん――だ――――――」
『強制活動・停止』
駄目だろぅ?チヒロ。
ワタシの想定していない行動をしては!




