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神の視点 4
故に、多少の誘導ならば、許されるとワタシは判断した。
『強制活動』により、なるべく自然な形でチヒロにヒントを与えればいい。
そうすれば、チヒロ次第ではあるが、クリスにたどり着くことも出来るだろう。
これまでも、クリス達の旅についていくことで、徐々にチヒロは本来の能力を取り戻していっている。
今後、チヒロを完全な状態にするためには同じようにクリス達についていくほうが、効率がいいと考える。
チヒロには、早く完全な状態に戻ってもらわねばならないのだ。
”守護者”としての使命がチヒロを待っている――
――
「――」
チヒロはなすすべなくという感じでぼうっと空を眺めていた。
そして、視線を落とし、無意識に眺める街並…………そこで、チヒロは気付いた。
「……あッ!」
見覚えがあった。
チヒロは、病院を破壊したことを覚えているように、
無意識でも確かにチヒロの中に記憶があったのだ。
「た、確か……あそこに!」
見覚えのある風景を辿っていく――




