表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第13章 覚醒する少女
813/1085

勇者の定義 17

「……」


チヒロは落胆していた。


胸を貫かれた時、確実に自分は死んだと思っていた。


しかし――なんだ、これは?


不老であっても、不死ではないんじゃなかったのではないのか?


いや、そもそも、心臓が胸にないとはどういうことか。


チヒロは一体――


「――なんだ」


その言葉のニュアンスはどこにあるのか。


一瞬、だけど、永遠のような張り詰めた空気がマオとチヒロ自身をも縛る。


マオはその空気を打ち破るため、唾を飲み、意を決して叫んだ。


「コチラのセリフだっ!ナニモノだ、勇者っ!」


文脈は滅茶苦茶だが、ニュアンスこそ伝わった。


チヒロはゆっくり立ち上がると、マオを見ながら、口元だけで笑ってみせた。


「そんなもの、初めから決まっている。

お前たちの”死”さ」


今度はマオの背にぞくりとしたものがつたった。


そして、同時に地面を蹴り、その場を離れようと飛んだ。


翼には飛行能力がある、それを使ってマオは逃げ出したのだ。


マオの感情は全て置き換わっていた。


仇だとか、そんな感情さえも……


父がそうしようとしていたように、初めから逃げ出せばよかった。


()()は初めから相手にしてはいけないモノだったのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ