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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第13章 覚醒する少女
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勇者の定義 14

「そうかい――だったら、苦しんで、死ね!!」



勇者が善で、魔王が悪とは誰が決めたのだろうか……


確かに、チヒロには大義名分が、正義がある。


しかし、必ずしも正義とは善とは限らない。


まるで、シリアルキラーのような態度の勇者に、親を殺された義憤に燃える魔王の娘――


善と悪に割り振るとしたら、どうなるだろうか?


仮にチヒロが悪だったとしても――問題そのものはないのだ。


勇者とは、魔のモノを殲滅する存在。


それが、ここにある勇者の定義。


故に、チヒロはどこまで行ったとしても正しい。


「『フルファ・メイティオ』!」


マオが掲げた両手と、羽根に光が収束したかと思うと、

縦横無尽に動き回り、四方八方からチヒロを襲った。


「……こんなもの!」


チヒロは力任せに太刀で薙ぎ払う。


「そこっ!『ティバイン』!」


と、極大のビームがマオの両手から放たれた。


無駄だ(消えろ)っ!!」


チヒロは、その極大と評したビームさえも太刀で薙ぎ払ってしまった。


しかし、薙ぎ払った次の瞬間、痺れたように太刀を握っていた右手は震えた。


「……!」

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