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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第13章 覚醒する少女
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勇者の定義 9

「……被害者ぶるな。アンタが魔王である以上、殺し合う宿命でしょうが!」


チヒロは激高した。


そして、その怒りをぶつけるように、魔王へ剣を振るった。


「ッ……!お父さんっ!」


「『デザイヴ』」


魔王の前に大きなつららのような尖った結晶が現れた。


魔王はその結晶を掴むと、剣のようにして、チヒロの太刀を受け止めた。


火花が散る。


チヒロの太刀は結晶の剣を削るように押し進む……

やがては、両断するだろうが、その速度では遅すぎる。


押し負けることはなくとも、太刀を使用している状態で、

魔王の娘……マオに無防備をさらすことになる。


「ちぃ……!」


チヒロは離脱する。


仕切り直すためにずざざ、と床を滑りながら後退するが、何度も同じ行動を見せすぎた。


読まれていたのだ。


「『ディファン・エレピリア』」


マオは魔法の矢を数十本……いや、今この時も増殖し、数百本も展開し、照準をチヒロに向けていた。


そこに魔王が手を重ねる。


すると、展開したいた魔法の矢は肥大化し、一本一本が強力な魔力を纏うようになる。


流石のチヒロも、背中に冷たいものがつたった。

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