令嬢の苦悩
「狼?」
「ええ……立ち話もなんでしょう、お食事に来られたんですよね?」
「あ、そうですね」
私達、三人は店主の話を聞くためにカウンターに並んで座った。
「酒場なので、お飲み物から伺いましょう。もちろん、飲めない方の為のメニューもありますよ」
「それじゃあ……」
と、シンシアさんはドリンクメニューの一番上を真っ先にに指差した。
「あ、麦酒!これ、冷やしたやつ下さい!」
「は、はい……かしこまりました」
「わたしはミルクを下さい、お酒ではなく普通の」
「私もミルクで」
「はい、麦酒1のミルク2ですね」
店主は用意の為に奥に引っ込んだ。
「わたしに合わさなくても、お酒を頼んでもいいんですよ?」
この国の法律は15歳から飲酒可能となっている。
「いえ、まだ修行中の身だから、お酒は控えているの」
そんな受け答えをしてるうちに飲み物が運ばれてきた。
「お待たせしました」
「そ、それじゃあ、乾杯!」
「え、あ、はい」
「か、かんぱい」
グラスを合わせるとシンシアさんは麦酒を半分ほど一気に飲み干した。
「あ~~~~、やっぱりビールだぁ~、キンッキンに冷えてる~~!」
何故だろう、シンシアさんの顎が尖って見える。
「お客さん、いい飲みっぷりだね、見たところ、麦酒なんて飲み慣れてなさそうなのに」
「いや、もう、アタシ、Oえ……昔から、これ好きなのに、屋敷には置いてないからやんなっちゃう」
「ああ……麦酒は庶民の飲み物だからね」
なんだか、わからないが、シンシアさんは幸せそうだ。




