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風が巻き起こした結果
――――――
「で、出来……た……?」
私自身、自分がやったことが信じられなかった。
あれだけ制御にてこずった『ショット・マグナム』……それを自分が扱いやすいようにとは言え、
アレンジを加えて放った。
そして、それが、ショウ兄さんを穿ったなんて……
だが、事実を受け止めようが受け止めまいが、強風はいずれ収束する。
全てを吐き出した『ジャイロ・ショット・マグナム』……略して『ジャイロ・マグナム』は消え、
ずるり、とショウ兄さんはその残光から零れ落ちるように這い出た。
「!」
「っ……」
ショウ兄さんは辛うじて、足から着地する。
しかし、すぐに力を失ったようにその場にしゃがみ込んだ。
「ショウ……兄さん……」
私は何に期待し、何を心配しているのだろうか。
全ての様子を伺うように声を掛ける。
「…………ふ、ふふ。そう、だ。それで、いい」
「え……」
「3分も回ったか……リミットだな」
ぐらり、とショウ兄さんは倒れそうになりながら、私を指差した。
「クリス、お前の勝ちだよ」




