”外”での一連
――――
一瞬、そう”一瞬”だけ時を遡る――
「私の強み――」
クリスはシュウを見つめたまま、”内”に潜っているようだった。
迫るショウ、くの字に折り曲げ逆サイドからの鋭い左足の蹴りがクリスの左横腹を打ち抜いた。
「――ぁ」
クリスは小さな呟きと共に、吐血した。
その目はショウを見つめたまま――
打ち込んだ杭のように、左足を支点に、コンパスのように、ショウはぐるんと回る。
そして、右手にはナイフ。
それが届いた時、それが全てが終わりだった――
が――
「『ジャイロ』――」
クリスの右の掌から、放出される旋風。
それを見て、感じ、ショウは手を止めた。
そして、笑った。
ああ、そこが必殺のタイミングだろう、と――
「――『ショット・マグナム』ッ!!」
圧縮された、気功と魔力のハイブリッドがクリスからシュウを引きはがすように、
シュウの身を吹き飛ばした。
”ガワ”はクリス自身、打ちなれた魔法だ。
コントロールされ、壁の隙間を縫うように、かつ上昇し、建造物のさらに上、屋根を超えて、空へ――
――そして、充分な高度で、圧縮されていた気功の反発が臨界に至り、それは爆ぜた。
さながら、真昼に打ちあがった花火のように。




