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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第13章 覚醒する少女
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目をそらすな

何故、不可能だというのか……


一番の要因は決定力不足、要は威力だ。


『ジャイロ・エアスピット』の威力では、当てたところで、

多少のダメージを負っても、ショウ兄さんなら、突っ切ってこられる。


そうなると、魔法を放った直後の無防備な状態で反撃を受けることになる。


だから、駄目なんだ。


じゃあ、どうすればいい…………………………そんなの、私は最初からわかっていた。


目をそらしていた。


切られることのなかった、カード。


それなら、威力の問題は解消し、ある程度、範囲での攻撃にすることが出来る。



そう……『ショット・マグナム』ならば――




問題は、実戦で使える完成度ではないということで――――


「……クリスっ!」


ショウ兄さんが、地面を蹴る。


圧縮された時間の中と言っても、無限に時間がある訳じゃない。


ショウ兄さんはこちらに来る。


私は選択しなければならない。


当てたところで、破られる『ジャイロ・エアスピット』か、

そもそも、まともに扱えない『ショット・マグナム』か、を…………


ショウ兄さんが迫る――


その目を、私は見ていた――

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