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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第13章 覚醒する少女
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刹那の永遠

ナイフは直線軌道だ。


射線軸からさえ逃れれば、当たらない。


そして、ギリギリだけど、地面を叩いたことで、その軌道から逃れた。


ナイフは頬の2ミリ先を通過する――


だから、今はナイフを気にするな。


ショウ兄さんの次の行動を――――


「――――――」


圧縮された時間の中で、ショウ兄さんを見つめ続けた。


すると、ショウ兄さんもまた私をただ見ていたのだ。


「――っ」


ナイフが掠める。


その瞬間、ショウ兄さんは口を動かした。


唇の動きを読む。


この圧縮した時間でなければ、読み取れない速度で、私に向けて言葉を放ったのだ。


”そうだ、それでいい”


「っっ!!」


集中力が途切れた。


私は咄嗟に勢いを利用し、大きく距離を取る。


姿勢を戻し、ショウ兄さんに向き直る、が、すでに元いた場所にはいなかった。


視界にいない――なら、背後か。


私は振りむくと、5メートル程離れた場所で、ショウ兄さんは投げたはずのナイフを回収していた。


ショウ兄さんは、ナイフを手元で遊ばせながら、呟いた。


「――リミットまで1分半と言ったところか」

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