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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第13章 覚醒する少女
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不可視の物理

ショウ兄さんの足元の影が、泡のようにはじけた。


「さぁ……リミットまでの3分で、決着をつけようか!」


「っ!」


私はただ目の前のことに集中した。


――のに、胸元にショウ兄さんの蹴りを喰らって吹っ飛んでしまった。


「!????」


蹴りを貰ったことに気付いたのすら、吹っ飛んだ身体が地面にぶつかる寸前だった。


「ぐっ!」


背中が地面を強打し、バウンドする――


「どうした?」


その私の足をショウ兄さんは掴んでいた。


「そんな無防備でいいのか?」


ぐるんと景色が周り、ショウ兄さんの背中側へと投げられる。


「あぐ!」


地面を転がる私をショウ兄さんは冷たく見下ろす。


「……そんなもの、なのか?単純な蹴りに投げ――自分でいうのもどうかと思うが、スピードだけだ。

対応出来ないのか?」


「……」


失望、されているのだろうか。


だけど、いくら単純な攻撃と言っても見ることすらかなわない中で、どうすればいいというのか……


「……ヒントは充分やったし、()()()()()()()()()()だろ?」

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