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2wayshot
「いい反応だ……とは言え、攻撃自体を見切っていた訳ではないな」
「……」
会話にリソースを割けない。
目の前……いや、周囲のことに全神経で気を張っていないと対処出来ない。
「……隙はない、な。だが……」
ショウ兄さんはくるくると自身のナイフを手元で回し、遊ばせる。
「いくぞ」
私は身構えた。
すると、ショウ兄さんは空高くナイフを放った。
「!」
投げたナイフを見る――見て、しまった。
「あ――ぐっ!!」
咄嗟に腕で身を守るように自身を抱く。
ガードした腕に蹴りがぶつかった。
吹っ飛ぶものの、土煙を上げながら、後退するだけに済む。
「く……!」
ナイフで意識を無理矢理反らされた。
だけど、なんとか、ガードは――
「それでいいのか?」
「え――」
意識の外、天から、ナイフの刃が私の左肩へ突き刺さった。
「ああっ!?」
「二段構えだよ。
どちらを選んでも視界の内と外から攻撃が来る……先程のように大きく動いた方がよかったな」
私は崩れ落ちる――
――――その中で、肩に刺さったナイフを掴んだ。




