血を流しながら、踊れ
「ぐぅっ!」
吹っ飛び、倒されそうになるのを、踏み止まった。
「今のはよかった。
それだけの技、負けてやってもいいとも思ったんだが、人の気持ちというのは勝手だな。
わざと負けるというのは、どうにも気分のいいものじゃない。
咄嗟にナイフを投げてしまった」
そう言うショウ兄さんだったが、内容はともかく、
口ぶりからは余裕を感じられるものの、表情はそうとは言えなかった。
肩口から流した血が、その余裕を奪っていたのだ。
とは言え、負傷の度合いはこちら同じ。
同じ肩に喰らったのだ。
左右逆の肩。
その負傷度合いは、向かいあうとまるで鏡映しのようだった。
回復魔法で治して、仕切り直したいところだ。
でも――
「それはそうと、この程度のダメージ、問題はないだろ?」
それをショウ兄さんは許さない。
私の方をみたまま、片足で跳んだ。
「さぁ、追いかけっこの続きだ!」
「く……!」
地上で私に付き合ってくれていた方が勝機はあった。
だが、その選択権は私にない。
ただ、踊る剣技が有効だということはわかった。
虎の子の『ソードマグナム』もまだ見せていない。
なら、先の空中戦とも違う戦い方も出来るはずだ。




